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「際立つクルマ作り」の量産ライン設計に
2Dと3Dの橋渡し役となるCADソフトを採用

マツダ株式会社様 導入事例

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マツダ株式会社(以下、マツダ)では、生産ラインや装置を設計する2D CADソフトウェアとして、図研アルファテックが提供する「BricsCAD」を導入。グローバルに使えるライセンス体系を活かし、海外の生産拠点でも活用されている。
また「BricsCAD Communicator」を利用し、ハイエンドCADによる3Dの部品設計データを2D CADへ展開する工程を効率化している。
導入製品 BricsCAD, Communicator
導入前の課題
  • 3D、2D、建築系それぞれのCADと親和性のあるCADソフトが必要
  • 従来の有償ソフトはコストが高いため数が不足
  • フリーCADソフトでは不具合などで業務に支障が生じる
導入後の効果
  • 量産ラインのデジタルツインに向けた3Dへの橋渡しに貢献
  • 安価なライセンスのため、数の不足問題を解消
  • 製品としての安定性と充実したサポートで、不安なく使えるように
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「見る人を感動させる商品を」技術とデザインで独自の存在へ

マツダは、設立から約100年に及ぶ歴史の中で、技術的に困難とされていたロータリーエンジンの実用化・量産化をはじめ自動車の歴史に残る技術を数多く開発してきた。現在でも、「独自価値で際立つ」という考えのもと、テクノロジーからサービスまで独自のブランド力を高めるべく挑戦を続けている。

このような独自のブランドの魅力を高めるための重要な要素の1つが、同社の製品に採用されている「魂動デザイン」だ。「見る人を感動させるような商品作り」というコンセプトのもと、職人しか再現できない独自の造形の量産化を実現するため、ものづくりに対するさまざまな試行錯誤を重ねてきた。

量産ラインの設計で重要となる2D CAD

マツダ様_小濱氏 技術本部 生産企画部
小濱 眞哉 氏
このような独自のデザイン・造形を実現しつつ、それを世の中に送り出すには、コストを大きく押し上げることなく、かつ品質の高い製品を製造できる量産ラインが必要だ。マツダでは、そのための挑戦を続けてきた。
「私たちは『ゼロディフェクト』を心掛けています。不良品が1台でも出れば、その1台を手にしてしまったお客様にとっては、マツダのすべてが不良となってしまうのです。そうしたことがないよう、すべてを完璧な製品として出荷しなければなりません」と、生産企画部の小濱眞哉氏は強調する。
量産ラインの設計では、さまざまな設備や機器まで3Dモデルとして取り込んでシミュレーションを行う「デジタルツイン」の手法も取り入れているという。一方で、量産ライン全体のレイアウトも重要な役割を担う。
車体技術部 第1車体技術グループの阿部正弘氏は、「私たちが手掛ける量産準備業務の中でも、まず行うのがラインのレイアウトです。そこには、全体でのバランスを俯瞰的に把握するためにも、まず量産ラインを2D CADでレイアウトします」と説明する。

3D、2D、建築系への親和性やコスト面を評価

2D CAD環境について、これまでマツダでは市場シェアの高いCADソフトやフリーのCADソフトを使っていたが、どちらにも課題があり、移行先となる製品を探していた。そうした中で行き着いたのがBricsCADであった。「市場で有力なCADソフトはライセンス費用が高かったので、多くのライセンス数を揃えることができず、使いたいときに使えなくて仕事が滞ることもありました。一方、フリーのCADソフトでは、サポートがないため不具合も生じていました。それらに比べBricsCADでは、リーズナブルな価格で、多くのライセンスを確保できる一方、従来のソフトにも決して劣らない機能性や動作の安定性も備えています」と阿部氏は選定の経緯を振り返る。 
上記に加えて、互換性に優れていることも評価ポイントだったという。小濱氏は以下のように説明する。

「クルマのデザイン・設計、量産準備での設備設計にはハイエンド3D CADを使っています。そうした部品・設備の形状をライン設計に生かすため、『BricsCADCommunicator』でデータを取り込んで使用しています。また今までライン設計に使っていたCADソフトのデータ、さらには工場のフロア図といった建築系CADのデータとの互換性も重要です。このように3Dにも2Dにも建築系にも親和性の高いCADを求めていたのです」
マツダ様 阿部氏 技術本部 車体技術部 第1車体技術グループ
阿部 正弘 氏

海外生産拠点のライン立ち上げにも活用

マツダ様
BricsCADの導入は、環境整備やユーザーへの公式トレーニングなどのサポートを受け、順次進められた。
「BricsCADへの移行は、ユーザー数が多かったこともあって時間がかかりましたが、導入や運用の立ち上げに多くのサポートをしてもらい、スムーズに移行できました」(小濱氏)

マニュアルやチュートリアルなど使いこなすためのコンテンツが充実していることも現場から評価されていると阿部氏は言う。「当初は、操作性が若干違うことから戸惑ったユーザーもいましたが、マニュアルを活用してすぐに慣れていきました」
マツダは、海外にも生産拠点を抱えている。新たな量産ラインは、最初に本社工場で立ち上げ、必要に応じて他の拠点へと展開しているという。

BricsCADは全世界でライセンスを使えるので、この海外生産展開にも役立っています。本社工場で組み立てたラインを海外生産拠点に導入する際は、それぞれの現場に合わせたアレンジが必要となるため、現地でBricsCADを使う機会も少なくないのです」(阿部氏)
マツダでは、今後も引き続きBricsCADを使い続ける方針だ。最後に小濱氏は「CADソフトには、さまざまなユーザーから要望が寄せられていると思いますが、BricsCADには、ぜひ一本筋の通ったものであってほしいと考えています。私たちは、お客様に選ばれ続けるクルマ作りを心掛けています。同じようにBricsCADにもユーザーに選ばれ続けるCADソフトであり続けていただきたいです」と話している。

マツダ様 概要

会社名 マツダ株式会社
設立 1920年
資本金 2,840億円
従業員数 合計49,755名(連結)/合計22,617名(単体)
事業内容 広島県に本社を置く自動車メーカー。2018年3月期のグローバル販売実績は1,630,771台、このうち国内は210,385台で、9割近くが海外での販売となっている。北米や欧州、中国市場の比率が大きい。

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※ご担当者様の所属部署、インタビュー記事内容などは取材当時のものです。
 (2019年9月掲載)

マツダ株式会社

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